マンション購入・投資

投資用?居住用?マンション購入で“見るべきポイント”はこう変わる

マンションを購入する際、「居住用」か「投資用」かという目的によって、チェックすべきポイントは大きく異なります。

しかし実際には、「予算と立地で選んでしまった」「不動産会社の言うままに購入した」という声も多く聞かれます。

住宅ローン控除や税制の違いはもちろんのこと、物件選びそのものの観点を誤ると、後々「思っていたのと違う」という後悔に繋がります。

居住用として購入したはずが、将来的に転勤や転職などで貸し出すことになったり、逆に投資用として購入したのに空室が続き、住み替えたくなるような事例もあります。

用途を明確にしたうえで、どのような視点で物件を見るべきか。

本記事では、居住用・投資用それぞれのチェックポイントを整理し、「失敗しないマンション選び」のヒントをお届けします。

居住用マンションの見るべきポイント

居住用マンションで最も重要なのは「住み心地」と「管理状態」です。

新築か中古か、広さや間取りといった表面的な要素だけでなく、目に見えない部分にこそ快適な暮らしの鍵があります。

第一に注目すべきは管理体制です。

エントランスや共用部の清掃状況、掲示板の内容、管理員の応対から「日常の手入れ」が行き届いているかがわかります。

管理組合がしっかり機能しているかは、理事会議事録や総会議事録を見れば判断できる可能性が高まります。

長期修繕計画書がしっかり作成されており、修繕積立金が不足していないかも要確認です。

次に重要なのが音環境や生活動線。

上下左右の部屋からの音が気にならないか、ベランダでの喫煙・話し声、子どもの足音なども居住者のストレス要因になります。

また、エレベーターの数と待ち時間、宅配ボックスの数なども日々の利便性に直結します。

さらに、住民の属性も大切な要素です。

投資用として多数の部屋が貸し出されているマンションでは、短期入居者の出入りが激しく、コミュニティが希薄になる傾向があります。

近隣との良好な関係を築きやすいかも、居住の快適さに影響します。

これらの要素を「生活者の目線」で確認することが、居住用マンション選びの成功に繋がります。

ただし、マンションのような集合住宅においては個人の「快適さ」よりもマンションごとに規定された規約や細則にもとづいた「適切さ」を重視していくことが求められます。

そのため、人によっては、「適切=快適」とならない場合も考えられますので注意が必要です。

投資用マンションの見るべきポイント

一方で、投資用マンションにおいて重視すべきは「収益性」と「出口戦略」です。

いくら物件の状態が良くても、借り手がつかなければ収益は発生しません。

購入時点での利回りの数字だけで判断せず、「将来の賃貸需要」と「運営コスト」も視野に入れる必要があります。

まず、最も基本的なチェックポイントは立地です。

駅からの距離、周辺にある大学やオフィス街、再開発計画の有無などが、賃貸需要を左右します。

また、ワンルーム投資では「管理費と修繕積立金の比率」が高すぎると、手取り収益が思ったより少ないという事態になりがちです。

空室リスクに備える意味でも、管理体制の確認は居住用と同じく重要です。

管理がずさんだと、設備故障や住環境の悪化で入居者が離れていきます。

加えて、賃貸管理の委託先が信頼できるかどうか、家賃保証(サブリース)契約の内容が妥当かなども慎重に判断したいところです。

また、出口戦略として「将来売却しやすいか」も大切な視点です。

供給過多のエリア、築年数の経過、利回りの低下などにより、思ったように売却できないケースも増えています。

購入前に「この物件を自分が買う側だったらどう評価するか」という視点も持つことが、投資成功への近道です。

意外な盲点:「居住用」として買った物件が将来「投資用」になるかも?

居住用として購入したマンションが、数年後に「賃貸に出すしかない」状況になることは、実は珍しくありません。

転勤、離婚、親の介護、子どもの進学・・・人生は予定通りには進みません。

だからこそ、購入時には「貸すことになるかもしれない」という前提も考慮すべきです。

では、居住用マンションを将来的に貸す際に問題となる点は何か。

第一に挙げられるのが「管理規約・細則などによる制限」です。

たとえば民泊や事務所・店舗としての用途は明確に禁止されている場合があります。

次に、賃貸需要の少ない立地だと、空室期間が長引くこともあります。

駅から遠い、商業施設がない、高齢化が進んでいるなどのエリアは、居住用としては快適と思われる場合でも貸し出すには不利な場合も多いです。

また、貸し出す際にリフォームが必要になり、その費用が高額になることもあるため、想定外の出費で家計に打撃を受けることもあります。

「貸せる物件かどうか」をサブ視点として持つことで、将来の選択肢が広がるでしょう。

居住目的で購入する場合も、一定の“投資的視点”を持つことが、リスクを軽減するポイントです。

まとめ

ここまで見てきたように、「居住用」と「投資用」では、マンション選びの観点が根本的に異なります。

どちらも「将来のライフスタイル」や「出口」を見据えて判断する必要があります。

居住用では、生活の質や快適さ、コミュニティとの関係が重要です。

投資用では、収益性や資産性、そして管理の委託体制や出口戦略が鍵となるでしょう。

そして、たとえ今は居住目的であっても、将来的に貸し出す可能性があることを念頭に置くことで、選択肢の幅が広がります。

自分が何のためにこのマンションを買うのか?」という問いを明確にしないまま購入すると、後から「こんなはずじゃなかった」と感じるリスクが高まります。

目的に応じた物件選びを意識し、必要ならば専門家(マンション管理士など)の助言を得ることが、後悔しない購入への近道と言えるでしょう。

本記事も読んでいただきどうもありがとうございました。

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