世の中には、理想と現実の間に大きなギャップが存在する事象が多くあります。
マンション管理組合の運営もその一つです。
国土交通省や地方公共団体、マンション管理の有識者などが発信する情報は、往々にして理想論に偏りがちで、現実との乖離に多くの管理組合が頭を悩ませています。
理想を追求することは重要ですが、現実を無視した理想論は、かえって混乱を招き、管理組合の目的を見失わせる危険性があります。
管理組合の目的は、マンションを適切に管理し、居住者の適切な暮らしやマンションの資産価値の維持・向上を実現していくことです。
その目的を達成するための手段として、管理組合の運営があることを忘れてはなりません。
本記事では、マンション管理組合運営における理想と現実のギャップを明らかにし、そのギャップを埋めるための方法を解説していきます。
皆さんの管理組合が目的と手段をしっかりと認識し、手段にこだわりすぎずに目的を実現するためのお役に立てていただければ幸いです。
理想のマンション管理組合とは?
理想のマンション管理組合とは、組合員全員が積極的に管理組合活動に参加し、透明性の高い運営が行われている状態だと考える人たちが多いのではないでしょうか。
具体的には、以下のような特徴が考えられます。
【高い管理意識】
・多くの組合員がマンションの維持・管理に関心を持ち、積極的に活動に参加する。
【公平な役割分担】
・理事などの役員が定期的に交代し、組合員全員が公平に役割を負担する。
【専門性】
・専門知識や経験を持つ理事が中心となり、適切な意思決定を行う。
【管理会社との良好な関係】
・管理会社に依存しすぎず、管理会社とは適切な距離感を保ちながら協力関係を築く。
上記のような多くの人たちが理想的と考える管理組合では、長期修繕計画に基づいた適切な修繕が行われ、資産価値が維持・向上します。
また、住民間のコミュニティも活性化し、適切な住環境も実現されると考えられます。
現実のマンション管理組合、その課題と向き合う
残念ながら、現実のマンション管理組合は、理想とはかけ離れた状況にあることが少なくありません。
多くの組合員が管理組合活動に無関心で、理事などの役員の担い手が見つからないのが現実です。
また、マンション管理の複雑さや専門知識の不足から、適切な意思決定ができないケースも多く見られます。
その結果、管理会社に任せきりになり、管理組合にとって不利益な契約を結んでしまったり、過剰で高額な修繕が行われたりするなどの問題も発生しています。
現実の管理組合が抱える課題を以下にまとめます。
【組合員の無関心】
・ほとんどの組合員が管理組合活動への関心が低い。
【役員の担い手不足】
・無関心をはじめ、高齢化や多忙などを理由に、役員を引き受ける人がいない。
【専門知識の不足】
・マンション管理に関する知識を持つ組合員がいない。
【管理会社への依存】
・管理会社に任せきりで、適切なチェック機能が働かない。
上記の課題を解決するためには、まず現状を正しく理解し、具体的な対策を講じる必要があります。
理想と現実のギャップを埋めるために
理想と現実のギャップを埋めるためには、固定観念にとらわれず、管理組合の実態にあわせた運営体制を構築する必要があります。
【組合員のモチベーション向上】
・労力に見合った実績に応じた役員報酬を支給する。
・組合員や居住者からの批判などが直接役員に届かないような仕組みをつくる。
【専門家の活用】
・マンション管理士などの専門家を活用し、専門的な知識やアドバイスを得る。
【柔軟な運営体制】
・理事会方式にこだわらず、管理者方式(外部管理者方式)など、マンションの実情に合わせた柔軟な運営体制を構築する。
【DXの活用】
・管理アプリやオンライン会議システムなどを導入し、効率的で透明性の高い運営を実現する。
上記にあげた取り組みなどを通じて、組合員の負担を軽減し、専門性を高め、効率的な運営を実現することで、理想の管理組合に近づけることができます。
まとめ
マンション管理組合運営における理想と現実のギャップを全て埋めることは難しいですが、近づけることは可能です。
重要なのは、現実を直視し、過去からの慣習や固定観念にとらわれずに課題を克服するための具体的な行動を起こすことです。
本記事では、理想の管理組合像と現実の課題を明確にし、そのギャップを埋めるための方法の一例をを紹介しました。
これらの情報を参考に、各マンションの実情に合わせて、できることから始めてはいかがでしょうか。
組合員の一人でも多くの人が管理意識を高め、実態に即した管理組合体制を構築していくことで、少しでも理想的なマンションライフに近づけるはずです。
本記事も読んでいただきどうもありがとうございました。