マンション管理

マンション管理組合総会とは?仕組みや重要性を理解して総会出席の意識を高める

マンション管理組合の加入は、法律で義務付けられています。

つまり、区分所有マンションを購入した場合は、マンション管理組合に加入することが求められます。

また、マンションを所有している場合、居住していなくても、オーナーとしてマンション管理組合に加入することが求められます。

マンション管理組合で毎年開催される総会は、マンションの共有部分の管理や費用の決定などについて、組合員が集まって話し合って決定する会議で、最高意思決定機関と位置づけられている非常に大切な総会です。

本記事では、マンション管理組合総会の仕組みや重要性を理解することで、総会の大切さを知り、総会出席への意識を高めることができます。

その結果、自身が所有するマンションの資産価値や居住者の方たちの適切な暮らしの維持・向上を図ることにつながっていくでしょう。

管理組合の総会では何をするのか?


マンション管理組合総会では、マンションの共有部分に関する運営や管理について決定することが目的となります。

一般的にマンション管理組合総会で議論して決定する内容事例について以下にいくつか記載します。

管理組合の運営に必要不可欠なこと

総会での最も重要な議題は、予算や決算、財務状況、修繕計画、保険、役員の選任などの議決事項です。
これらの事項は、管理組合の運営に必要不可欠なものであり、組合員の意見や判断が反映されたうえで決定されます。

新たな施設や設備の提案

新たな共有施設や設備の提案や決定が議題になることがあります。
たとえば、共有スペースの改修や新しい設備の導入などが含まれます。

取り決めや規約の改定

取り決めや規約の改定も議題になります。
たとえば、居住者のルールや騒音対策、修繕費用の分担方法などが含まれます。

その他の議論

その他、マンション管理組合総会では、議題となる問題や改善点について相談したりすることもあります。
たとえば、共有スペースの清掃方法の改善などが挙げられます。

管理組合総会の種類


マンション管理組合総会には「通常総会」と「臨時総会」の大きく2種類に分けられます。

それぞれの特徴などにについて以下の通りにまとめてみます。

通常総会

管理者などが選任されている管理組合では、毎年必ず1回開催しなければならず、管理組合の運営に必要な重要な事項を議決するためのものです。
通常は、前年度の決算報告や次年度の予算案、修繕計画、役員の選任などが議題に含まれます。

臨時総会

臨時総会は、通常総会以外の場合に行われます。
緊急性がある場合など、不定期に開催される総会です。

管理組合総会の成立要件


マンション管理組合総会が正式に総会として成立するためには、管理規約上で要件(定足数)が定められていることが一般的です。

その要件とは、管理組合総会への組合員の出席数が議決権総数の半数以上となることです。

この要件に満たない場合は、管理組合総会として成立せずに総会を開催することができません。(但し、区分所有法では、定足数の規定はありません)

したがって、通常総会であれば、総会が成立する議決権総数の半数以上の組合員の出席が満たされるまで何度でも総会開催の招集をし続けることになります。

また、通常総会が開催されないと、管理組合の予算や修繕計画も決めることができません。

そのため、適切なマンション管理活動も実施できないことにつながり、マンション資産価値の低下や、マンション居住者の方たちの適切な暮らしも維持できない重大な問題に発展していきます。

このことからも、総会への出席することの大切さを認識できるのではないでしょうか。

また、総会への出席者は、総会当日に会場へ出席する組合員だけでなく、事前の議決権行使書委任状を提出した組合員の方たちも出席者とカウントされます。

管理組合総会であげられた議案の決議種類と可決要件について


総会において各議案の決議を行う場合、決議を成立させるためには、大きく分けて2種類の決議に分かれます。

一つ目は、出席者の過半数の賛成が必要となる決議です。

これが普通決議と呼ばれるものです。

そして、もう一つの決議が、特定の重要事項については、法律や規約などで可決要件が定められている特別決議と呼ばれるものとなります。

この2種類の決議につきましては、具体的な例などをあげて以下の通りに詳しくまとめてみます。

普通決議

【可決要件】
・総会出席者(議決権行使等含む)の過半数の賛成で可決
【具体的な議案の一例】
・管理組合の年間事業報告・収支決算
・建物管理会社との管理委託契約(更新)
・管理組合の事業計画案・収支予算案
・管理組合役員の選任・解任
・管理費・修繕積立金などの改定
・大規模修繕工事の実施
※但し、規約に別段の定めがある場合は特別決議となる場合があります

特別決議

【可決要件】
・組合員総数及び総議決権の3/4以上、4/5以上など法律・規約などで定められた賛成数により可決
【具体的な議案の一例】
①3/4以上の賛成が必要な特別決議の議案例
・管理規約の改定
※ 使用細則は普通決議で改定可能
・共用部部分著しい変更に伴う工事
・エレーベーターの増設・新設
①4/5以上の賛成が必要な特別決議の議案例
・マンションの建替え
・マンションの敷地売却

上記の通り、普通決議と特別決議では可決の難易度が大きく異なります。

そのため、特別決議の議案を通すためには、事前に組合員への説明をすることや、重要性が伝わるようにしっかりと議案書に記載するなど、綿密に準備することが大切です。

以下に、普通決議と特別決議の議案とで可決する難易度が大きく異なることが一目でわかるように具体的な数字をあげて紹介したいと思います。

普通決議と特別決議の可決要件の違い

【マンション前提条件】
・住 戸 数:40戸
・組合員数:40名
・議決権数:1住戸/議決権

【普通決議の場合】
前提条件:20議決権(20名)の総会出席の総会であった場合
※総会が成立する最低数が20議決権となる(総会出席者が総議決権数の半数以上の参加で総会が成立する)
・可決要件:11個以上の賛成で可決

【特別決議の場合】
前提条件:組合員総数及び総議決権の3/4以上の賛成で可決する特別決議の議案
・可決要件:30個以上の賛成で可決

まとめ


最後に本記事のおさらいをします

♦管理組合の総会で決めること(一例)
・予算や修繕計画など管理組合の運営に必要不可欠なこと
・新たな施設や設備の提案
・取り決めや規約の改定
・その他マンションの暮らしについての改善議論など

♦管理組合総会の種類
・通常総会:毎年1回開催される総会
・臨時総会:緊急性がある場合など、不定期に開催される総会

♦管理組合総会の成立要件(定足数)
・管理組合総会への組合員の出席数が議決権総数の半数以上に満たないと総会は成立しない
※但し、区分所有法では、定足数の規定はない

♦管理組合総会であげられた議案の決議種類と可決要件について
・決議は「普通決議」と「特別決議」の大きく2種類に分かれる
・普通決議は総会出席者(議決権行使等含む)の過半数の賛成で可決する
・特別決議は組合員総数及び総議決権の3/4以上、4/5以上など法律・規約などで定められた賛成数により可決
・普通決議と特別決議の議案とで可決する難易度が大きく異なり、特別決議の可決要件は厳しい

本記事も読んでいただきどうもありがとうございました。

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