区分所有法

区分所有法(集会の招集について)

分譲マンションでは、一棟のマンションの住戸(部屋)を区分けして販売します。

このように住戸を区分して所有する際の、各区分所有者の権利やマンション全体の管理方法などを定めた法律を区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)と呼びます。

この記事では、区分所有法における「集会の招集」について知ることができます。

集会の招集(第34条)

集会の招集者(第34条1項)

区分所有法第34条1項では「集会は、管理者が招集する。」と定められています。

区分所有法上、管理者を置くことは義務ではないため、管理者が置かれていない管理組合で集会を招集するためには、後述する区分所有法第34条5項の定めに従って集会を招集することとなります。

集会の招集回数(第34条2項)

区分所有法第34条2項では「管理者は、少なくとも毎年⼀回集会を招集しなければならない。」と定められています。

反対にとらえると、管理者が置かれていない管理組合では、毎年集会を開催する必要はないということです。

集会招集の請求(第34条3項・4項)

区分所有法第34条3項では「区分所有者の五分の⼀以上で議決権の五分の⼀以上を有するものは、管理者に対し、会議の⽬的たる事項を⽰して、集会の招集を請求することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。」と定められています。

この定めにより、1/5以上よりも区分所有者からの集会招集を容易にするために、規約で1/7以上や1/10以上などに変更することが可能です。

区分所有者からの集会招集を困難とする1/4以上、1/3以上などに増やすことはできませんので注意して下さい。

また、区分所有法第34条4項では「前項の規定による請求がされた場合において、⼆週間以内にその請求の⽇から四週間以内の⽇を会⽇とする集会の招集の通知が発せられなかつたときは、その請求をした区分所有者は、集会を招集することができる。」と定められています。

これは、管理者が何らかの理由で、区分所有者の人たちによる集会招集の請求に応じない場合などに対応するために定められていると思われます。

区分所有者による集会の招集(第34条5項)

区分所有法第34条5項では「管理者がないときは、区分所有者の五分の⼀以上で議決権の五分の⼀以上を有するものは、集会を招集することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。」と定められています。

この定めについては、前述(第34条1項)で少し触れましたが、管理者が置かれていない管理組合の場合の集会の招集方法となります。

また、第34条3項の定めと同様に1/5以上よりも区分所有者による集会招集を容易にするために、規約で1/7以上や1/10以上などに変更することが可能です。

招集の通知(第35条)

招集通知の時期(第35条1項)

区分所有法第35条1項では「集会の招集の通知は、会⽇より少なくとも⼀週間前に、会議の⽬的たる事項を⽰して、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸縮することができる。」と定められています。

一週間前に発するというのは、例えば集会が8月30日(水)に開催される場合には、8月22日(火)には集会の招集の案内を発送しなければならいないということです。

規約によって集会招集の通知の期間は長くすることも、短くすることも可能となります。

専有部分が複数人で共有されている場合の招集通知(第35条2項)

区分所有法第35条2項では「専有部分が数⼈の共有に属するときは、前項の通知は、第四⼗条の規定により定められた議決権を⾏使すべき者(その者がないときは、共有者の⼀⼈)にすれば⾜りる。」と定められています。

これは、専有部分が複数人で共有されている場合には、共有者全員に集会の招集通知をする必要はなく、特定者または特定者が決められていなければ共有者のいづれか一人に通知すれば良いということです。

議決権⾏使者の指定(区分所有法 第40条)
専有部分が数⼈の共有に属するときは、共有者は、議決権を⾏使すべき者⼀⼈を定めなければならない

招集通知の場所(第35条3項・4項)

区分所有法第35条3項では「第⼀項の通知は、区分所有者が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときはその場所に、これを通知しなかつたときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所にあててすれば⾜りる。この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。」と定められています。

通知場所の通知があったとしても、区分所有者が自身が所有している専有部分に実際に居住している場合は、管理者はその専有部分に通知しても構いません。
また、通知がなくても、管理者が区分所有者が実際に居住している建物外の場所を把握している際には、その場所に通知しても良いとされています。

また、区分所有法第35条4項では「建物内に住所を有する区分所有者⼜は前項の通知を受けるべき場所を通知しない区分所有者に対する第⼀項の通知は、規約に特別の定めがあるときは、建物内の⾒やすい場所に掲⽰してすることができる。この場合には、同項の通知は、その掲⽰をした時に到達したものとみなす。」と定められています。

ここでのポイントは、規約で「建物内に住所を有する区分所有者又は集会の招集通知を受けるべき場所を通知しない区分所有者へは建物内の掲示板等見やすい場所に集会の招集通知を掲示して通知することができる」と定めれば、該当する区分所有者へは個別に集会の通知をする必要はなくなるということです。

特に最近では、自身の専有部分を賃貸にだしている区分所有者の多い分譲マンションなどでは、区分所有者がどこに住んでいるかが不明となることも多くなってきています。
そのような時には、上述のように規約で定めておけば、マンション建物内の掲示板などに集会の通知を掲示すれば区分所有法上は、問題ないということになります。

議案の要領の通知(第35条5項)

区分所有法第35条5項では「第⼀項の通知をする場合において、会議の⽬的たる事項が第⼗七条第⼀項、第三⼗⼀条第⼀項、第六⼗⼀条第五項、第六⼗⼆条第⼀項、第六⼗⼋条第⼀項⼜は第六⼗九条第七項に規定する決議事項であるときは、その議案の要領をも通知しなければならない。」と定められています。

議案の要領とは、「議案内容の要約」のことです。

参考までに上述の会議の目的たる事項であげられている区分所有法の定めをあげておきます。

第17条1項

共⽤部分の変更(その形状⼜は効⽤の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。

第31条1項

規約の設定、変更⼜は廃⽌は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更⼜は廃⽌が⼀部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。

第61条5項

第⼀項本⽂に規定する場合を除いて、建物の⼀部が滅失したときは、集会において、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数で、滅失した共⽤部分を復旧する旨の決議をすることができる。

第62条1項

集会においては、区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその⼀部の⼟地⼜は当該建物の敷地の全部若しくは⼀部を含む⼟地に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる

第68条1項

次の物につき第六⼗六条において準⽤する第三⼗条第⼀項の規約を定めるには、第⼀号に掲げる⼟地⼜は附属施設にあつては当該⼟地の全部⼜は附属施設の全部につきそれぞれ共有者の四分の三以上でその持分の四分の三以上を有するものの同意、第⼆号に掲げる建物にあつてはその全部につきそれぞれ第三⼗四条の規定による集会における区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による決議があることを要する。

⼀ ⼀団地内の⼟地⼜は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内の⼀部の建物の所有者(専有部分のある建物にあつては、区分所有者)の共有に属する場合における当該⼟地⼜は附属施設(専有部分のある建物以外の建物の所有者のみの共有に属するものを除く。)

⼆ 当該団地内の専有部分のある建物

第69条7項

前項の場合において、当該特定建物が専有部分のある建物であるときは、当該特定建物の建替えを会議の⽬的とする第六⼗⼆条第⼀項の集会において、当該特定建物の区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、当該⼆以上の特定建物の建替えについて⼀括して建替え承認決議に付する旨の決議をすることができる。この場合において、その決議があつたときは、当該特定建物の団地建物所有者(区分所有者に限る。)の前項に規定する合意があつたものとみなす。

上記では第35条5項に記載されている議案の要領の通知が必要な条文をあげましたが、実際には、議案の要領を通知しなければいけないケースは、上記以外にもあります。
それら議案の要領の通知が必要なものについては、各条文にその旨が記載されています。

招集手続きの省略(第36条)

区分所有法第36条では「集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の⼿続を経ないで開くことができる。」と定められています。

これは、緊急時など迅速に集会を開くために定められていると考えられますが、実際には各集会開催ごとに区分所有者全員の同意が必要となるため、多くのマンションではあまり現実的ではないかもしれません。

同意を得る方法に制限はないとされているため、書面での同意も必要となるわけではありません。

まとめ

集会の招集についての区分所有法を理解することができましたでしょうか?

本記事で学んで頂いたとおりに、区分所有法上において集会を招集する際に注意しなければいけないことが複数ありました。

もしも、誤った方法により集会の招集を行った場合には、集会自体が無効となってしまう可能性も高くなります。

正しい方法で集会の招集を行いましょう。

本記事も読んでいただきどうもありがとうございました。

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