現在の日本国内では、さまざまな業種で人手不足が深刻化しており、特に高齢化が進む業界では担い手の確保が大きな課題となっています。
マンション管理業界も例外ではなく、管理人の不足が顕著になってきました。
特に東京都心部のマンションでは、管理人が見つからない、または頻繁に交代するといった問題が増えています。
これは、単に人手不足の問題だけでなく、管理人の待遇や業務環境の悪化も影響していると思われます。
本記事では、マンション管理人の担い手不足の背景や原因を掘り下げるとともに、管理組合がとるべき具体的な対策について解説していき、皆さんの管理組合でも参考にしていただくことができます。
マンション管理人の担い手不足の主な要因とは?
マンション管理人のなり手不足には、様々な要因が複雑に絡み合っています。
これらの要因が複合的に作用し、マンション管理人の担い手不足を深刻化させています。
以下に管理人のなり手不足の主な要因をまとめます。
【一般企業の雇用延長による影響】
・一般企業による雇用延長が進み、以前まで中心であった60代の管理人が少なくなっているため
【労働環境の厳しさ】
・管理人の仕事は、清掃や点検、居住者対応など多岐にわたり、体力的な負担が大きいため
【賃金の低さ】
・管理人の賃金は、仕事内容や責任の重さに比べて低いと感じるため
【居住者や理事とのトラブル】
・一部の居住者や理事からの過度な要求やクレームなど、精神的な負担が大きいため
【マンション戸数の増加】
・新築マンションの建設や既存マンションの建て替えが進まないこともあり、国内のマンション戸数は増加傾向にあり、管理人の需要も増えているため
担い手不足がもたらす影響、管理現場の実態
マンション管理人のなり手不足は、管理現場に深刻な影響を及ぼしており、管理会社が管理人を手配することができずに、管理組合へ管理人の業務費用を返金しているケースまでみられます。
今後も管理人の担い手不足がさらに深刻化し、何らかの対策を講じなければ、マンションの資産価値低下や居住者の暮らしの低下につながる恐れがあります。
それでは、具体的にどのような影響が考えらえるのか以下にまとめてみます。
担い手不足による影響
【管理業務の質の低下】
・清掃や点検などの業務が滞り、マンションの管理状態が悪化する
【組合員・居住者の負担増加】
・管理人が見つからない場合、これまでの管理人の業務を組合員や居住者が負担しなければならない
【管理費の上昇】
・管理会社が管理人を確保するために、管理委託費を値上げする
【管理人の質の低下】
・経験やスキルが十分でない人が管理人になる
管理組合に求められる変革、管理人確保のための具体策
マンション管理人の担い手不足を解消するためには、管理組合が主体的に管理人の労働環境の改善に取り組む必要があります。
以下に管理人の担い手不足の対策としての管理人の労働環境改善の具体的な取組みを紹介します。
【業務内容の見直し】
・高齢の管理人でも無理なく働けるよう、業務内容を精査し、負担の大きい業務を削減する
【労働時間の短縮】
・フレックスタイム制や短時間勤務など、柔軟な働き方を受け入れる
【快適な休憩スペースの確保】
・管理事務室にエアコンや冷蔵庫などを設置し、快適な休憩スペースを確保する
【清掃用具の改善】
・清掃用具を使いやすく清潔なものを採用し、特にトイレ清掃には水に溶けて流せる使い捨てスポンジなどを採用する
【洗濯機の設置】
・雑巾などは、手洗いをやめ、洗濯機でまとめて洗えるようにする
【居住者・理事の意識改革】
・居住者や理事に対し、管理人への過度な要求やクレームがいかない体制にする
【IT・AIの活用】
・ロボット掃除機やAIを活用した設備管理システムなどを導入し、管理人業務の効率化や負担軽減をはかる
まとめ
マンション管理人の担い手不足は、管理組合にとって深刻な課題です。
しかし、管理組合が主体的に管理人の労働環境の改善に取り組み、IT・AIなどの技術を活用することで、この課題を克服し、持続可能なマンション管理を実現する可能性が高まります。
そのためには、管理組合、管理会社、居住者が一体となり、協力して課題解決に取り組むことが重要です。
未来を見据え、快適で安全なマンションライフを守っていくためにも管理人の労働環境の改善に努めていきましょう。
本記事も読んでいただきどうもありがとうございました。